「離れて暮らす親に、もしものことがあったらどうしよう」
そう考えて見守りサービスの種類を調べ始めると、主な目的や仕組みが異なるためどのサービスを選べばいいか迷ってしまうと思います。
この記事では、高齢者を見守る代表的なサービスを6つの種類で比較し、それぞれの仕組み・メリット・注意点・向いている人、失敗しない選び方のポイントなどについて解説します。
高齢者見守りサービスとは?

見守りサービスの基本的な役割
高齢者見守りサービスとは、離れて暮らす高齢者の安否や生活の変化を、家族や専門機関が把握できるようにする仕組みの総称です。
役割は大きく3つに分けられます。
- 異変に気づく:いつもと違う動きや、動きのない状態を検知する
- すぐに助けを呼べる:具合が悪くなったときに通報できる
- 居場所や様子を確認できる:外出時の所在確認や、日々の様子の把握ができる
種類が多く、違いが分かりにくい理由

見守りサービスは、機器を使うもの、人が関わるもの、家電やAIを活用するものなど、仕組みがまったく異なります。運営するのも警備会社、通信会社、家電メーカー、配食事業者、自治体とさまざまです。
そのため、明確な目的を持たずに選ぶと後悔する可能性が高くなります。まずは「どんな仕組みで見守るのか」で種類を把握し、実際に親にはどのサービスが必要なのか見極めるのが選び方のポイントです。
令和の一人暮らし高齢者の現状

なぜ今、見守りへの関心が高まっているのでしょうか。一人暮らしの高齢者の現状を確認してみましょう。
一人暮らしの高齢者は男女とも増えている
内閣府の令和8年版高齢社会白書によると、令和7年10月1日現在の65歳以上人口は3,622万人で、高齢化率は29.4%となり過去最高を更新しました。これはおよそ3.4人に1人が65歳以上という計算になります。
出典:「 1 高齢化の現状と将来像|令和8年版高齢社会白書(全体版) 」(内閣府)
このなかで一人暮らしの高齢者も増え続けています。
65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合は、昭和55年には男性4.3%・女性11.2%でした。それが令和2年には男性15.0%・女性22.1%になり、令和7年には男性18.3%・女性25.4%、令和17年には男性22.3%・女性27.9%になる見込みです。
出典:「 3 家族と世帯|令和8年版高齢社会白書(全体版) 」(内閣府)
つまり、「高齢者の一人暮らし」というのは、今後ますます身近な問題になるということです。
自宅で亡くなる一人暮らしの人は年間7万人超

警察庁の発表によると、令和7年の1年間に自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6,941人(37.6%)でした。前の年(令和6年)は7万6,020人(37.2%)で、わずかに増えています。
出典:「 令和7年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について 」(警察庁Webサイト)
出典:「 令和6年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について 」(警察庁Webサイト)
ここで注意したいのは、この数字は孤立死・孤独死の人数ではなく、警察取扱死体のうち「一人暮らしの人が自宅で亡くなった件数」の全体数だということです。
問題になるのは発見の遅れ「孤立死」

内閣府が『死後8日以上経過して発見されたケース』を基準に推計した令和7年の孤立死者数は2万2,222人でした。
男女別にみると男性は女性の約3.8倍にのぼっています。また年代別では70代が特に多いという結果になっています。
出典:「 令和7年孤立死者数の推計について 」(内閣府)
発見が遅れるほど、家族の精神的な負担も大きくなります。だからこそ大切なのは、「何かあったときに、早く気づける仕組み」を用意しておくことです。
高齢者見守りサービス 6つの種類【比較表】

高齢者見守りサービスはさまざまな分類方法がありますが、本記事では代表的な6タイプに分けて紹介します。
費用感は一般的な目安で、事業者やプランによって大きく異なりますのでご注意ください。
| 種類 | 見守りの仕組み | 主な目的 | 費用感の目安 |
|---|---|---|---|
| ①センサー型 | 人感・開閉センサーで生活の動きを検知 | 日常の異変に気づく | 中程度 |
| ②カメラ型 | 室内カメラで映像・音声を確認 | 様子を目で確認できる | 低額〜中程度 |
| ③緊急通報ボタン型 | ボタンを押すと通報センターにつながる | 緊急時に助けを呼ぶ | 中程度〜高め |
| ④電話・訪問型 | 電話や訪問で人が安否を確認 | 会話しながら安否確認 | 低額〜中程度 |
| ⑤GPS型 | 小型端末で位置情報を確認 | 外出時の所在確認 | 低額〜中程度 |
| ⑥家電連動・AI型 | 家電の使用状況やAI分析で生活を把握 | 自然な形で見守り | 低額〜中程度 |
※費用は「初期費用」と「月額」の両方がかかる場合があります。詳しくは各社の公式サイト等でご確認ください。
【種類別】6つの見守りサービス メリット・注意点

①センサー型:生活の「動き」で異変に気づく
玄関ドア、トイレ、冷蔵庫、リビングなどに、人の動きやドアの開閉を検知するセンサーを設置します。
一定時間動きがないなど、いつもと違う状態になると、家族や事業者に通知が届く仕組みです。
★ メリット
- カメラがないので、プライバシーへの抵抗感が少ない
- 本人が操作する必要がないタイプが多く、機械が苦手な人でも導入しやすい
- 離れていても、生活リズムの変化が分かる
⚠ 注意点
- 「動いていない」ことは分かっても、その理由までは分からない
- 通知を受けたあと、実際に確認に行くのは家族になる場合がある(「駆けつけ」サービスがあるかは事業者による)
〇 こんな方に向いています
- まずは日常の異変だけ知りたい、カメラには抵抗がある、という高齢者。
②カメラ型:映像で様子を確認できる
室内にカメラを置き、スマートフォン等から映像を確認するタイプです。動きを検知して通知するものや、スピーカーで声をかけられる双方向タイプもあります。
★ メリット
- 転倒など、状況を目で見て確認できる
- 声かけができるタイプなら、コミュニケーションも取れる
⚠ 注意点
- 「監視されている」と感じ、抵抗を感じる人もいる。必ず本人の同意を得てから設置する
- Wi-Fiなど、インターネット環境が必要なものが多い
- トイレや浴室など、映してはいけない場所がある
- 映像データの保存方法やセキュリティも確認しておく
〇 こんな方に向いています
- 転倒や体調の急変が心配で、親本人も納得している場合。
③緊急通報ボタン型:具合が悪いとき、押すだけで助けを呼べる
ペンダントや据え置き型のボタンを押すと、通報センターにつながるタイプです。状況に応じて、救急要請や、警備員などが「駆けつけ」てくれるサービスもあります。
自治体が、一人暮らしの高齢者向けに緊急通報装置を貸与・設置している場合もあります。
★ メリット
- 胸の痛みや転倒など、緊急時にすぐ助けを呼べる
- 24時間体制で通報を受け付けたり、必要に応じて駆けつけに対応するサービスもある
⚠ 注意点
- 意識を失った場合など、本人がボタンを押せない状況では使えない
- ペンダントを身につけていないと役に立たない
- そのため、センサー型と組み合わせたプランを用意している事業者も多い
- 専門のオペレーターや駆けつけ対応がある場合は、費用が高くなる傾向にある
〇 こんな方に向いています
- 持病があり、体調の急変が心配な高齢者。
④電話・訪問型:人の声と顔で安否を確認する
オペレーターが定期的に電話をかけたり、スタッフや配達員が自宅を訪ねたりして、安否を確認するタイプです。
配食サービスや、郵便局、生協などの宅配と組み合わせたものもあります。自治体や社会福祉協議会が、訪問による見守りを行っている地域もあります。
★ メリット
- 会話ができるので、孤立の予防にもつながる
- 機器の設置や工事が不要で、始めやすい
- 表情や声の調子から、体調の変化に気づいてもらえることがある
⚠ 注意点
- 電話や訪問の「合間」に起きた異変には、すぐには気づけない
- 本人が電話に出られない、ドアを開けられない状態では確認が難しい
- 頻度を上げると、費用も上がる
〇 こんな方に向いています
- 人との会話が減っている、機械が苦手でシンプルな方法がよい、という高齢者。
⑤GPS型:外出時の居場所を確認できる
小型の端末をバッグや衣類、靴などに入れて持ち歩き、位置情報をスマートフォンなどで確認するタイプです。専用端末型と、スマホアプリ型があります。
自治体によっては、位置情報端末の費用を助成していることもあります。
★ メリット
- 自宅に居なくても現在地を把握する手がかりになるため、家族の不安が和らぐ
- 外出先で道に迷ったときも、位置情報を確認できる
⚠ 注意点
- 充電切れや、持ち歩き忘れがあると機能しない
- 自宅の中での様子は分からない
- 屋内や地下では、位置の精度が下がることがある
- 「行動を監視されている」と感じる方もいるので、本人への説明が大切
〇 こんな方に向いています
- 外出中の迷子が心配な高齢者(認知症の症状がある方など)。
⑥家電連動・AI型:普段の暮らしの中で自然に見守る
電気ポットや照明などの家電の使用状況、電力の使用量、スマートスピーカーとの会話などから、生活パターンの変化を把握するタイプです。
AIが普段の傾向を学習し、いつもと違うときに通知するサービスもあります。
★ メリット
- 特別な機器を身につけたり操作したりしなくてよい
- 「見守られている」という負担感が少ない
⚠ 注意点
- 対応する家電や住宅環境が限られる場合がある
- 家電を使っていないからといって、異変とは限らない
- サービスの内容が多様で、比較しにくい
〇 こんな方に向いています
- 見守られていることを意識させたくない、負担感の少ない方法がよい、という高齢者。
失敗しない!見守りサービスの選び方 4つのポイント

ポイント1:「何が一番心配か」をはっきりさせる
見守りサービスは、「心配ごと」によって向き不向きが変わります。
- 体調の急変が心配 → 緊急通報ボタン型、センサー型
- 転倒や日々の様子が心配 → カメラ型、センサー型
- 外出中の迷子が心配 → GPS型
- 会話や孤立が心配 → 電話・訪問型
ポイント2:「親」本人が受け入れられるか
見守りサービスは、本人が納得していなければ長続きしません。カメラやGPSは、特に抵抗を感じる方も見受けられます。
「監視するため」ではなく、「万が一のときに早く手助けするため」と心配していることを率直に伝え、本人の希望を尊重しながら選びましょう。
ポイント3:異変を知らせたあとの対応を確認する
通知が届いたあと、誰が・どこまで対応してくれるのかは、サービスによって大きく異なります。
- 通知だけで、確認は家族が行うのか
- オペレーターが状況対応も行ってくれるのか
- 警備員など現場への駆けつけも含まれているのか
自分が遠方に住んでいる場合は、駆けつけ対応の有無が重要な判断材料になります。
ポイント4:費用の内訳と契約条件を確認する
初期費用、工事費、月額料金、機器のレンタル・買取の有無、最低利用期間、解約時の費用など、必ずセットで確認しましょう。
月額料金だけで比較すると、総額で見たときに差が出ることがあります。
一つに絞らず、組み合わせる方法もある
たとえば「センサー型+緊急通報ボタン型」「電話・訪問型+GPS型」のように、種類を組み合わせることでそれぞれの弱点を補え、親に合わせたタイプの見守りが行えます。
高齢者見守りサービスのよくある質問

Q. 見守りサービスの費用はどのくらいかかりますか?
種類、機器の数、駆けつけの有無などで大きく異なります。初期費用がかかるもの、月額のみのものがあるため、複数社の見積もりを取って総額で比べるのがおすすめです。
Q. 親が嫌がった場合はどうすればよいですか?
無理に行うと、機器を外されるなどして意味がなくなってしまいます。「見張るため」ではなく、「いざというとき早く助けるため」と目的を伝え、本人が受け入れやすいタイプ(センサー型や電話・訪問型など)から試すのも一つの方法です。
Q. 介護保険は使えますか?
民間の見守りサービスは、多くの場合、介護保険の対象外です。ただし、自治体によっては費用の助成や、緊急通報装置の貸与など、見守り事業を行っている場合があります。親が住んでいる市区町村の役所や地域包括支援センターに確認してみてください。
Q. サービスを使わずにできる見守りはありますか?
定期的な電話や帰省、近所の方や民生委員との連携など、費用をかけずにできる方法もあります。詳しくは、次記事で解説予定です。
まとめ:見守りサービスは「一番の心配ごと」から選ぼう

高齢者見守りサービスは、次の6種類に分けられます。
- センサー型:生活の動きから異変に気づく
- カメラ型:映像で様子を確認する
- 緊急通報ボタン型:緊急時に助けを呼ぶ
- 電話・訪問型:人の声と顔で安否を確認する
- GPS型:外出時の居場所を確認する
- 家電連動・AI型:普段の暮らしの中で自然に見守る
大切なのは、「一番心配なこと」と「親本人が受け入れやすい方法」の両方から選ぶことです。複数のタイプを組み合わせるのも有効です。
セコムとアルソックを検討している方はこちら
見守りサービスを検討する際、専門スタッフが駆けつけてくれる警備会社のサービスは有力な選択肢の一つになります。代表的な2社を、料金やサービス内容などで比較してます。
各社の詳細を先に知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
参考資料・出典



