離れて暮らす親が心配で「高齢者見守りサービス」を取り入れたいけど、できることなら費用を抑えたい!と悩んでいませんか?
実は、お住まいの市区町村によっては、無料または低額で利用できる高齢者向けの見守りサービスを提供していることがあります。
この記事では、主に
- 自治体が行っている見守りサービスの種類
- 補助金・助成制度の調べ方
- 自治体サービスと民間サービスの違い
など、自治体のサービス・補助金制度についてまとめてます。
自治体の高齢者見守りサービスとは?まず全体像を知ろう

自治体が見守りに取り組む背景
自治体が高齢者の見守りに力を入れている背景には、一人暮らしの高齢者が増え続けているという現状にあります。

内閣府の「令和8年版高齢社会白書」によると、令和6年現在、65歳以上の人がいる世帯は2,760万4千世帯で、全世帯の50.3%を占めています。世帯の形は、夫婦のみの世帯と単独世帯がそれぞれ約3割を占めています。

また、65歳以上の一人暮らしの人の割合も男女ともに増えています。65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合を見ると、令和2年は男性15.0%、女性22.1%でした。令和32年には男性26.1%、女性29.3%になる見込みです。
出典:「 3 家族と世帯|令和8年版高齢社会白書(全体版) 」(内閣府)
親が一人で暮らしている、あるいは今後そうなる可能性は、決して他人事ではありません。こうした状況を受けて、市区町村は見守りの仕組みづくりを進めています。
自治体サービスの主な窓口と役割
自治体における高齢者見守りサービスの主な窓口です。
- 地域包括支援センター
高齢者の暮らしの総合相談窓口です。市区町村や、市区町村から委託を受けた法人が運営しています。見守りに関する相談や、地域の見守り情報の取りまとめも担っています。 - 市区町村の高齢福祉担当課(福祉事務所)
制度の担当部署で、補助金や助成の申請・手続きを行う行政の窓口です。(注意!自治体により「高齢福祉課」「長寿課」など名称が異なります) - 社会福祉協議会(社協)
地域の見守り活動やボランティア活動の拠点になっていることがあります。
どこに連絡すればいいか迷ったら、高齢者の暮らしの総合窓口である地域包括支援センターに相談してみましょう。利用できる制度や担当窓口を案内してもらえる場合があります。
「市区町村名+地域包括支援センター」で検索することで、自治体のホームページ等を調べることができます。また下記の厚生労働省のサイトからも確認できます。
・ 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
・ 地域包括ケアシステム|厚生労働省
自治体の代表的な見守りサービス

下記で解説する自治体の見守りサービスは、すべての自治体で、全部の見守りが実施されているわけではありませんのでご注意下さい。親の住んでいる自治体により取り扱いのあるサービスは異なります。
① 緊急通報システム(緊急通報装置の貸与)

参考画像:「 緊急通報装置を貸与します 」(中間市HP)
自宅に専用の通報装置を設置し、ボタンを押すと、受付センターや協力員につながる仕組みです。体調が急に悪くなったときなどに使えます。
- 対象になりやすい人
一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯など。年齢、健康状態、所得などの条件を設けている自治体もあります。 - 費用の傾向
無料から一部自己負担まで、自治体によってさまざまです。 - 利用の流れ
高齢福祉担当課や地域包括支援センターに相談・申請をして、要件を満たしているか総合的に審査されたあと設置される流れが一般的です。 - 注意点
通報先・対応時間・駆けつけの有無は、自治体や契約内容によって異なります。
② 配食サービス(見守り付き)

参考画像:「 石井町地域自立生活支援事業(配食サービス)について 」(石井町HP)
食事を自宅まで届けるサービスです。自治体や配食事業者によっては、手渡しでお届けし、安否確認を兼ねる配食サービスもあります。
(注意!手渡しの要件、置き配の有無、不在時の連絡方法などは個別の事業内容によります。)
厚生労働省の地域支援事業(任意事業)には、栄養改善が必要な高齢者に配食サービスを行い、定期的・継続的に安否確認をして、必要に応じて地域包括支援センター等に報告する、という取り組みが例として示されています。
配食サービスの実施の有無、対象者、1食あたりの自己負担額は、自治体によって異なります。
なお、厚生労働省は配食事業者向けに「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」を示しており、このガイドラインに沿った配食を条件にしている自治体もあります。
出典:「 地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理 」(厚生労働省)
③ 民生委員・訪問型の見守り(友愛訪問・電話での安否確認など)

参考画像:「 民生委員・児童委員が取り組む活動 」(三田市HP)
民生委員、ボランティア、社会福祉協議会などが、定期的に自宅を訪問したり、電話をかけたりして、安否を確認する仕組みです。
- 特徴
顔の見える関係をつくりながら、日常の様子を見守ってくれます。人とのつながりがあるため、孤立の予防にも役立ちます。 - 頻度の目安
訪問や電話の頻度は、地域や事業によって異なります。 - 注意点
訪問や電話の時間帯・頻度は決まっていることが多く、24時間365日の見守りではありません。
④ 見守りネットワーク事業(地域・事業者との協力体制)

参考画像・出典:「 上尾市見守りネットワーク 」(上尾市HP)
新聞配達、電気・ガス・水道の検針、郵便、宅配などの民間事業者が、業務中に「郵便や新聞が何日もたまったままになっている」「同じ洗濯物が数日間干されたままになっている」といった異変に気づいたとき、市区町村や地域包括支援センターに連絡する仕組みです。
現在、一人暮らしの高齢者世帯が増加する一方で、地域の担い手(民生委員や自治会など)の不足や高齢化が課題となっています。
そのため自治体では、従来の住民ボランティアだけに頼るのではなく、地域住民や民間事業者と連携した見守りネットワークを整備する取り組みが行われています。
出典:「 一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査 結果報告書 」(総務省)
その他の自治体サービス
上記のほか、自治体によっては次のような取り組みも行っています。
- 見守り機器(人感センサーなど)の設置費用の助成
- GPS端末の貸与・購入費用の助成(認知症で外出時に迷うおそれがある方向け)
- 見守りキーホルダーや見守りシールの配布
- 地域団体が行う見守り活動への補助(団体向けの補助金)
【注意】制度の内容は自治体ごとに異なります!
自治体の見守りサービスや補助金は、対象者・費用・内容が自治体ごとに異なり、この記事では一般的な仕組みについて解説してます。
制度・金額は更新されるため、必ず親がお住まいの市区町村の公式サイトや窓口で最新情報をご確認ください。
補助金・助成制度の調べ方

補助金・助成の対象
自治体によっては、高齢者の見守りに関連する費用について、補助・助成制度を設けている場合があります。
対象となるものには、例えば次のようなものがあります。
- 緊急通報装置の設置・利用にかかる費用
- 配食サービスなどの利用料の一部
- ICT見守り機器やGPS端末の導入費用
「補助金」と書かれていなくても、「助成」「給付」「貸与」「利用料の減免」といった名前で実施されていることがあります。
すべての自治体で実施されているわけではありません。対象者・対象経費・補助額・申請期限は、自治体の公式情報で確認してください。
補助金・助成の調べ方3方法
- 公式サイトで検索する
「(市区町村名) 高齢者 見守り」「(市区町村名) 緊急通報」などで検索し、市区町村の公式サイトの高齢福祉に関するページから探します。 - 高齢福祉担当課に問い合わせる
親の住所地を管轄する、高齢福祉担当課に電話または窓口で確認します。担当課は「高齢福祉課」「長寿課」「高齢者支援課」など、自治体によって名前が異なります。 - 地域包括支援センターに相談する
どの制度が使えるか分からない、手続きが不安という場合は、親の住所地を担当する地域包括支援センターに相談しましょう。見守りだけでなく、介護や暮らし全般の相談にも乗ってもらえます。
問い合わせ時に確認したいチェックリスト
問い合わせの際は次の点を確認しておくと、滞りなく進めやすくなります。
- 対象年齢(65歳以上か、75歳以上かなど)
- 世帯の条件(一人暮らしか、高齢者のみの世帯かなど)
- 所得の条件の有無
- 自己負担額(無料か、一部負担か)
- 申請方法と必要書類
- 申請から利用開始までの期間
- 要介護認定の有無による違い
- 見守りの頻度や時間帯(何時から何時まで対応か)
- 緊急時の対応(駆けつけをしてもらえるのか、連絡のみか)
離れて暮らす親の場合の注意点
自治体のサービスは、原則として親が住んでいる市区町村での利用が可能です。ご自身(子ども世帯)の住んでいる自治体ではないので、注意が必要です。
また、申請は本人や家族のほか、地域包括支援センターを通じて行える場合もあります。遠方でなかなか窓口に行けないときは、まず電話で相談してみましょう。
自治体サービスと民間サービスの違い【比較表】

自治体のサービスと民間のサービスは、どちらが優れているというものではなく役割が違います。比較表は一般的な傾向を整理したものになります。
| 比較項目 | 自治体サービス | 民間サービス |
|---|---|---|
| 対象者 | 年齢・世帯・所得などの条件があることが多い(自治体による) | 条件は少なく、契約すれば利用できる |
| 費用 | 無料〜低額の場合がある(自治体による) | 商品代・月額費用の他、初期費用がかかる場合がある |
| 駆けつけ対応 | 実施の有無は自治体・事業により異なる | 24時間365日対応の駆けつけサービスもある |
| 対応時間 | 窓口は平日日中が中心。緊急通報システムは24時間対応のところもある | 24時間365日対応のサービスもある |
| 申込方法・開始時期 | 申請・審査があり、利用開始まで時間がかかることがある | 契約後、比較的早く利用を始められる |
※上記は一般的な傾向であり、自治体・個々の制度・プランによって異なります。
自治体と民間のどちらを選ぶかは、費用、必要な見守りの内容、親の状態によって変わります。併用して利用されている方もいます。
自治体サービスのメリット
- 費用負担を抑えられる(無料〜一部自己負担で利用できるものがある)
- 民生委員やボランティアなど、地域の人とのつながりの中で見守ってもらえる
- 地域包括支援センターなど、介護・福祉の相談窓口と連携しやすい
自治体サービスだけではカバーしきれない部分
一方で、自治体のサービスだけでは、次のような場面で不安が残ることがあります。なお、あくまで一般的な傾向で、自治体により異なります。
- 夜間・休日の対応
訪問や電話の見守りは、時間帯や頻度が決まっていることが多く、24時間の見守りではありません。 - 緊急時の駆けつけ
通報システムの連絡が届くだけで、現場への駆けつけは協力員や家族に頼る仕組みの自治体もあります。 - 対象の条件
年齢、世帯、所得などの条件に当てはまらないと、利用できないことがあります。 - 利用開始までの期間
申請や審査があるため、すぐに始めたいと思っても、日数がかかる場合があります。 - 地域差
親の住む自治体に、希望するサービス自体がない場合があります。
「自治体のサービスを利用しながら、足りない部分は民間で補う」という考え方で見守りの体制を組み立てると、費用の負担を抑えやすくなります。
より手厚い見守りを希望する場合は民間サービスも選択肢に

民間の見守りサービスでできること
民間のサービスには、次のような見守りサービスもあります。
- 緊急通報(ボタンを押すと、センターにつながる)
- 緊急時の駆けつけ
- センサーなどによる安否確認
- 24時間365日の対応
見守りサービスの種類ごとの特徴は、こちらの記事で解説しています。
自治体サービスと併用するという考え方
自治体のサービスと民間のサービスは、どちらか一方のみを選ぶ、というものではありません。たとえば、次のような組み合わせも考えられます。
- 自治体の配食サービスで孤立を防ぎつつ、緊急対応は民間サービスで備える
- 費用を抑えるため、まず自治体の緊急通報システムを使い、必要に応じて民間サービスを検討する
併用の有無や、併用した場合の助成の扱いについては自治体により異なるため、事前に窓口で確認しておくと安心です。
代表的な民間サービス:セコム・ALSOK
民間の見守りサービスで候補に挙がりやすいのは、セコムとALSOKではないでしょうか?それぞれのサービス内容や料金は、次の記事で解説しています。
自治体の見守りサービスでよくある質問(FAQ)

Q. 自治体の見守りサービスは誰でも利用できる?
多くの自治体では、年齢(65歳以上など)や世帯の状況(一人暮らしや、高齢者のみ世帯など)に条件があります。また所得などの条件を設けている場合もあります。詳しくは、親がお住まいの市区町村の高齢福祉担当課や地域包括支援センターで確認できます。
Q. 補助金は、遠方に住んでいる親のために申請できる?
申請先は、親が住んでいる市区町村になります。申請は本人が行うのことが基本ですが、家族が手続きを手伝える場合もあります。遠方で窓口に行けないときはその旨を電話で相談し、必要書類の取り寄せ方法などを確認しましょう。
Q. 自治体サービスと民間サービスは併用できる?
併用している方もいます。ただし、併用した場合の助成金の扱いなどは自治体によって異なりますので、事前に担当窓口で確認されることをおすすめします。
Q. 申請から利用開始までどのくらいかかる?
申請から利用開始までの期間は、自治体や制度、機器の設置の有無などによって異なります。審査や事前訪問、機器の手配が必要な場合もあるため、利用を希望する時期が決まっている場合は、早めに担当窓口へ相談しましょう。
問い合わせの際には、申請に必要な書類、代理申請の可否、審査の有無、利用開始までのおおよその期間を確認しておくと安心です。
まとめ:まずは自治体の支援サービスの確認から

- 自治体の見守りサービスには、緊急通報システム、配食サービス、民生委員などの訪問、見守りネットワーク等があり、無料や一部自己負担など低額で利用できる場合があります。
- 補助金・助成は、親が住んでいる地域の高齢福祉担当課や地域包括支援センターに相談するのが一番確実です。
- 自治体サービスは費用面や地域のつながりが強みですが、夜間・休日の対応や緊急時の駆けつけなどは、自治体によって差があります。
- より手厚い見守りが必要なときは、民間サービスを併用するという選択肢もあります。
まずは親の住む市区町村に問い合わせて、利用できる制度を確認するところから始めてみましょう
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参考資料・出典





