「実家の親をそろそろ老人ホームに入れたいけれど、親の年金は月10万〜12万円ほど。これだけで入れる施設なんて本当にあるの……?」
「親の年金だけで足りない場合、自分たち子ども世代が毎月何万円も仕送りして自腹を切らなきゃいけないの?」
そんなお金の不安や焦りを抱えていませんか?
結論から言うと、親の年金だけでも入れる高齢者施設は十分にあります。そして、子ども世代が身を削って自腹で補填する必要はありません。
ただし、年金内で収まる施設を見つけるには、「どの施設が安く、どんな国の補助金(減免制度)が使えるか」という事前の知識が不可欠です。
この記事では、難しい法律や専門用語を一切使わず、親の年金だけで施設を探すための選択肢と、知らないと大損する国の減免制度を分かりやすく解説します。
親の年金だけで老人ホームに入れるのか?

「老人ホーム=毎月20万〜30万円かかる、費用がすごく高い!」というイメージを持つ方も多いですが、それはあくまで一部の民間施設の話です。
まずは、日本の平均的な年金額と、施設費用の目安を比較してみましょう。
- 国民年金(自営業など)の受給額平均: 約5.9万円 / 月
- 厚生年金(会社員など)の受給額平均: 約15.1万円 / 月
(※厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)
親御さんが会社員だった場合(月15万円前後)、あるいは夫婦の年金を合わせる場合「公的施設」であれば十分に年金だけで収まる計算になります。
仮に親御さんが国民年金のみで月額5万〜6万円程度だったとしても、あきらめる必要はありません。国や自治体には、年金額が少ない人向けの「負担軽減制度」が用意されているからです。
年金月10万〜15万円で入れる「3つの現実的な選択肢」

親の年金の範囲内で老人ホームを探す場合、具体的には以下の3つの選択肢から選ぶことになります。
① 費用を最優先するなら「特別養護老人ホーム(特養)」
前回の記事でもご紹介した、国や自治体が運営する公的施設です。
- 費用の目安: 月額10万〜15万円前後
- 年金だけで入れる理由: 特養は公的施設のため、本人の所得(年金額)が低ければ低いほど、「月額利用料そのものが大幅に安くなる仕組み」が国によって作られています。そのため、年金が月10万円以下の方でも、自己負担額が5万〜8万円程度に下がって入居できるケースが多々あります。
② 比較的元気なら「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の低価格プラン
「特養の入居基準(要介護3以上)には満たないけれど、一人暮らしは心配」という場合、サ高住の低価格プランが狙い目です。
- 費用の目安: 月額10万〜25万円前後
- 年金だけで入れる理由: サ高住は民間運営ですが、近年は「共用設備をシンプルにする」「都市部から少し離れた郊外に建てる」といった工夫で、家賃を含めて月額10万〜12万円程度に抑えた低価格なサ高住が急増しています。
③ プロの力を借りて「予算に合う民間施設」を提案してもらう
「有料老人ホームは高いから無理」と最初から除外してしまうのはもったいないです。
実は、民間が運営する有料老人ホームであっても、地方や郊外、あるいは築年数が少し経過している物件などでは、「月額12万円以下・入居一時金(初期費用)ゼロ」で入れるような穴場施設が隠れています。
こうした施設は自力で見つけるのが難しいため、専門の検索サービスを使ってプロに条件を伝え、探してもらうのが一番確実です。
【知らないと大損】負担を劇的に減らす「4つの公的減免制度・補助金」

国の介護に関する補助金や減免制度は、「自分から役所に申請しないと1円も安くならない(自動的には適用されない)」のが鉄則です。
親の年金内で施設に暮らしてもらうために、必ず覚えておきたい4つの制度をご紹介します。
① 施設での食費・部屋代が安くなる「特定入所者介護サービス費(補足給付)」
特養などの公的施設に入所した際、食費と居住費(部屋代)が国から補助され、自己負担額を劇的に下げられる制度です。
- 対象となる人: 本人および世帯全員が「住民税非課税」であり、預貯金が一定額以下の方(※年金暮らしの親の多くが対象になります)。
- 効果: 通常、食事代や部屋代で月に約5万〜7万円かかるところが、この制度が適用されると月2万〜3万円程度にまで減額されます。
② 1ヶ月の介護代の上限を抑える「高額介護サービス費」
1ヶ月に支払った「介護サービス費(1割〜3割の自己負担分)」が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。
- 効果: 一般的な所得の世帯であれば、1ヶ月の介護代の自己負担上限は「44,400円」になります(現役並みの所得がない限り、これ以上高くなることはありません)。さらに非課税世帯であれば、上限は24,600円や15,000円まで下がります。
(※厚生労働省「高額介護サービス費」より)
③ 医療費と介護費のダブル負担を減らす「高額医療・高額介護合算療養費制度」
親が高齢になると、介護費だけでなく「医療費(病院代や薬代)」もかさみます。
- 効果: 毎年8月〜翌年7月までの1年間に支払った「医療保険」と「介護保険」の自己負担額を合算し、基準額(所得によって異なるが、非課税世帯なら年31万円など)を超えた場合、超えた分が手元に戻ってきます。
(※厚生労働省「高額介護合算療養費制度」より)
④ 最終手段としての「生活保護」という選択肢
親に年金がほとんどなく、貯金も底をついてしまった場合の最終手段です。
生活保護を受給すると、介護費用(自己負担分)は全額免除され、生活保護の支給額の中で入れる「生活保護受給者対応」の老人ホームに入居することができます。
生活が困窮して共倒れになりそうな場合は、決して恥ずかしがらずに役所の福祉課やケアマネジャーに相談しましょう。
子ども世代が「絶対にやってはいけない」お金のNG行動

親を心配するあまり、心優しい子どもほど以下のような行動を取ってしまいがちですが、これは絶対にNGです。
- NG ①:自分の貯蓄を削って、親の施設費用に毎月仕送りをする
「親にはいいところに入ってほしいから」と、自分の教育資金や老後資金を削って仕送りをしてはいけません。介護は何年、何十年と続く場合があります。あなたの生活が破綻してしまっては本末転倒です。介護費用は、あくまで「親の年金 + 親のこれまでの貯蓄」の範囲内で完結させるのが鉄則です。 - NG ②:お金がないからと、仕事を辞めて自分で(在宅で)介護する
これはいわゆる「介護離職」です。自分の収入をゼロにして介護に専念すると、経済的にも精神的にも追い詰められ、最悪の場合「介護うつ」や「共倒れ」につながります。プロの手を借りる方が、親も子も安全に暮らせます。
親の年金内で収まる施設を見つけるための「効率的な探し方」

予算に限りがあるからこそ、失敗しないためには「できるだけ多くの選択肢(パンフレット)を並べて比較する」ことが何より大切になります。
少しでも費用を抑えて親に合う施設を見つけるための賢い探し方がこちらです。
1. エリアを「実家の近く」から「少し郊外・隣の市」へ広げてみる
駅の近くや都心部の施設は、どうしても家賃や人件費が高いため、月額費用も高くなります。
少しエリアを広げて、郊外や隣の市(土地代が安い地域)まで検索範囲を広げるだけで、「同じサービス内容なのに月額料金が5万円以上も安い施設」が見つかることはよくあります。
2. 「LIFULL 介護」の予算絞り込み機能を使い倒す
日本最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護(ライフル介護)」を使えば、わざわざ地域の施設を1軒ずつ調べる必要はありません。
検索画面で、
- 「入居一時金:0円」
- 「月額費用:10万円以下 / 12万円以下」
- 「エリア:〇〇市(および周辺)」 などの条件にチェックを入れるだけで、親の年金内で無理なく暮らせる施設候補が瞬時にリストアップされます。
3. パンフレットを取り寄せて「隠れた費用」を比較する
ネットに掲載されている「月額〇〇円〜」という基本料金だけで決めてはいけません。
実は施設によって、「おむつ代は基本料金に含まれるか」「医療費やリハビリ費は別にかかるか」「洗濯代や管理費はいくらか」といった細かな条件が異なります。
これらはネットの簡易画面だけでは分かりません。まずは「LIFULL 介護」を使って、予算内の施設のパンフレットをまとめて【無料】で取り寄せ、自宅のリビングで内訳をじっくり見比べることから始めましょう。
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お金の不安は「正しい情報収集」で解消できる

「親の年金だけでは老人ホームなんて無理」と思い込んでいる方の多くは、単に「安い施設の見つけ方」や「国の減免制度(補助金)」を知らないだけです。
- 親の年金・貯蓄だけで完結させる(子どもは自腹を切らない)
- 特養や低価格なサ高住、郊外の民間施設を視野に入れる
- 「特定入所者介護サービス費(補足給付)」などの申請を忘れない
この3つを徹底すれば、お金の不安は一気に解消されます。
まずは、親御さんの年金額(月予算)を頭に浮かべながら、お近くの地域にどんな低価格施設があるのか、パンフレットを集めることからスタートしてみましょう。
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