介護老人保健施設 居室の特徴と費用の目安について

介護老人保健施設(老健)の居室 は、「ユニット型個室」「ユニット型個室的多床室」「従来型個室」「多床室」 の4種類です。

居室のそれぞれの特徴や利用料の内訳、一時金など初期費用、介護保険が適用される費用・適用外の費用、医療費控除の対象となる費用、介護度別・区分別の月額の自己負担の目安費用の比較表など、介護老人保健施設の費用に関してまとめてます。

 ※ 介護老人保健施設は 「入所」だけでなく、「ショートステイ(短期入所)」「デイケア(通所リハビリテーション)」「デイケア(通所リハビリテーション)」のサービスも提供していますが、こちらでは「入所の費用」についてまとめています。

 

下記 介護老人保健施設(老健) に関する内容は、掲載時時点の情報になります。
必ず厚生労働省や自治体等の公式サイトなどから最新情報をご確認の上ご利用ください。



介護老人保健施設 居室タイプの特徴

 

ユニット型個室とは

介護老人保健施設 ユニット型個室について

ユニット型個室は、リビングなどの共同スペースを取り囲むように個室(1人部屋)が配置されています。

入居者のプライバシーは個室で確保しながら、共同生活室では利用者同士の交流を築きやすく、孤立を防ぎやすいようにと配慮されています。

 

ユニット型個室的多床室とは

介護老人保健施設 ユニット型個室的多床室について

ユニット型個室的多床室のお部屋は、多床室(他の入居者と同室)を簡易的な壁で仕切り、個室のようにして使用するタイプのお部屋です。

同じお部屋に複数人の入居者がいるため、個室に比べてプライバシーの確保は難しくなります。

お部屋は入居者同士の交流が築きやすいよう、共同生活室(リビングスペース)が利用しやすい配置になっています。

 

従来型個室とは

介護老人保健施設 従来型個室について

従来型個室とは、ひとつのお部屋を一人で利用するタイプのお部屋です。
病院の個室のようなイメージです。

プライバシーは確保されますが共同スペースまでの移動が必要になるため、利用者同士の交流は築きにくくなるようです。

 

多床室とは

介護老人保健施設 多床室について

多床室とは、1つのお部屋を他の入居者と一緒に利用するタイプのお部屋です。
病院の大部屋のようなイメージです。

プライバシーの確保が難しというデメリットがあります。
但し居住費が安いというメリットがあるため、共同生活が苦にならない方に人気です。



介護老人保健施設 従来型・ユニット型 介護の違い

従来型は、大人数の入居者に対し、複数人のスタッフが集団で介護サービスを行っています。

対してユニット型のユニットケアは、入居者一人ひとりに寄り添った介護サービスを行うことを目的としています。

円滑なユニットケアを行うための基準として、一つのユニットの定員はおおむね10人以下、またユニットごとに専任のスタッフの配置が決められています。

 

介護老人保健施設 5つの区分について

介護老人保健施設は在宅復帰や在宅療養の支援を目的としています。

厚生労働省は在宅復帰や在宅療養支援の機能が高いと認めた施設に対し、在宅療養支援機能に対する評価として「超強化型」「強化型」「加算型」「基本型」「その他型」の5種類の区分を設けました。

高い在宅復帰率の施設は手厚いリハビリなどのサポートが期待できる分、費用も高くなるので注意が必要です。
(※ 但し早期退所となれば、結果的に施設利用代が抑えられます。)

 

介護老人保健施設 費用について

介護老人保健施設では、介護サービスを受けるための費用や居住費、食費、日常生活費などの利用料金がかかります。

介護保険の適用となる費用も有りますが、適用外のため自己負担となる費用もあるので注意が必要です。

 

一時金など初期費用について

介護老人保健施設は一時金などの初期費用の必要はなく、お支払いするのは毎月の利用料のみになります。

 

利用料の内訳

介護老人保健施設で毎月お支払いする利用料の内訳です。

  1. 介護保健施設サービス費
    入所後に介護を受けるための費用です。
    地域、要介護度、施設の形態やお部屋のタイプ、職員の配置などにより異なります。

  2. 居住費
    お部屋の室料や光熱費など。
    お部屋のタイプにより異なります。

  3. 食費
     
  4. 日常生活費
    私物の洗濯代、理・美容費、日用品・嗜好品の購入、教養娯楽費など、生活するにあたって必要となる費用です。

 

介護保険が適用される費用・適用外の費用

  • 介護保健施設サービス費
    介護保険サービスが適用され費用は1割負担です。
    但し一定以上所得のある方は、介護保険サービスの利用負担と同じ2割・3割になります。
    負担割合の確認は、市区町村から毎年交付される 「介護保険負担割合証」 で確認できます。

  • 居住費・食費
    介護保険適用外のため自己負担です。
    但し所得や資産等が一定以下の方に対しては、負担限度額を超えた負担額が介護保険から支給されます。

  • 日常生活費
    介護保険適用外のため自己負担です。

 

医療費控除の対象となる費用

介護費用や居住費、食費は、施設サービスの対価として支払った額が医療費控除の対象となります。

但し特別室の使用料については、診療または治療を受けるためにやむを得ず支払うものに限り、医療費控除の対象となるので注意が必要です。

医療費控除の対象となる費用の確認は、介護老人保健施設からの領収書に医療費控除の対象となる金額が記載されることになっています。

 

施設利用料に含まれるもの

おむつ代やおむつの破棄代などおむつに係る費用は、施設利用料金に含まれます。

 

生活保護者・所得の低い方などの場合

「特定入所者介護サービス費」は、生活保護を受給している方や世帯全員が市町村民税非課税の方など、所得や資産が一定以下の方の負担を軽減する制度です。

居住費と食費が対象となり、所得に応じた自己負担の限度額を超えた負担額が介護保険から支給されます。

支給を受けるためにはお住まいの市区町村への申請が必要です。

 

自己負担額が高額になった場合

「高額介護サービス費」は、食費や居住費、福祉用具購入費などの一部を除き、1か月に支払った利用者負担額が負担限度額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給される制度です。

支給を受けるためにはお住まいの市区町村への申請が必要です。

 

支払い方法

支払い方法は施設により異なります。

 ・ 口座引き落とし
 ・ お振り込み
 ・ 現金払い

から選べる施設が多いようです。



介護老人保健施設 月額費用の目安

介護老人保健施設の利用料金は、区分・選んだ居室タイプにより費用が異なります。

厚生労働省が公表している基本利用料を参考に、介護老人保健施設の1か月の自己負担の目安料金を、要介護度・区分別にまとめてます。

 

要介護1 費用の目安

【 条件 】
 ・ 1か月 30日として計算してます
 ・ 日常生活費 10,000円に仮定してます
 ・ 自己負担割合 1割で計算してます
 ・ 介護報酬 1単位=10円で計算してます (地域により異なります)

 

要介護1 基本型

介護老人保健施設 要介護1・基本型 費用比較表

要介護1の方が基本型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 137,410円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 127,270円
 ・ 従来型個室を利用した場合 124,810円
 ・ 多床室を利用した場合 88,300円

 

要介護1 在宅強化型

介護老人保健施設 要介護1・在宅強化型 費用比較表

要介護1の方が在宅強化型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 138,760円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 128,620円
 ・ 従来型個室を利用した場合 126,070円
 ・ 多床室を利用した場合 89,740円

 

要介護2 費用の目安

【 条件 】
 ・ 1か月 30日として計算してます
 ・ 日常生活費 10,000円に仮定してます
 ・ 自己負担割合 1割で計算してます
 ・ 介護報酬 1単位=10円で計算してます (地域により異なります)

 

要介護2 基本型

介護老人保健施設 要介護2・基本型 費用比較表

要介護2の方が基本型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 138,760円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 128,620円
 ・ 従来型個室を利用した場合 126,160円
 ・ 多床室を利用した場合 89,740円

 

要介護2 在宅強化型

介護老人保健施設 要介護2・在宅強化型 費用比較表

要介護2の方が在宅強化型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 140,980円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 130,840円
 ・ 従来型個室を利用した場合 128,230円
 ・ 多床室を利用した場合 91,960円

 

要介護3 費用の目安

【 条件 】
 ・ 1か月 30日として計算してます
 ・ 日常生活費 10,000円に仮定してます
 ・ 自己負担割合 1割で計算してます
 ・ 介護報酬 1単位=10円で計算してます (地域により異なります)

 

要介護3 基本型

介護老人保健施設 要介護3・基本型 費用比較表

要介護3の方が基本型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 140,620円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 130,480円
 ・ 従来型個室を利用した場合 128,020円
 ・ 多床室を利用した場合 91,600円

 

要介護3 在宅強化型

介護老人保健施設 要介護3・在宅強化型 費用比較表

要介護3の方が在宅強化型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 142,870円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 132,730円
 ・ 従来型個室を利用した場合 130,090円
 ・ 多床室を利用した場合 93,880円

 

要介護4 費用の目安

【 条件 】
 ・ 1か月 30日として計算してます
 ・ 日常生活費 10,000円に仮定してます
 ・ 自己負担割合 1割で計算してます
 ・ 介護報酬 1単位=10円で計算してます (地域により異なります)

 

要介護4 基本型

介護老人保健施設 要介護4・基本型 費用比較表

要介護4の方が基本型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 142,210円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 132,070円
 ・ 従来型個室を利用した場合 129,610円
 ・ 多床室を利用した場合 93,130円

 

要介護4 在宅強化型

介護老人保健施設 要介護4・在宅強化型 費用比較表

要介護4の方が在宅強化型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 144,580円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 134,440円
 ・ 従来型個室を利用した場合 131,770円
 ・ 多床室を利用した場合 95,560円

 

要介護5 費用の目安

【 条件 】
 ・ 1か月 30日として計算してます
 ・ 日常生活費 10,000円に仮定してます
 ・ 自己負担割合 1割で計算してます
 ・ 介護報酬 1単位=10円で計算してます (地域により異なります)

 

要介護5 基本型

介護老人保健施設 要介護5・基本型 費用比較表

要介護5の方が基本型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 143,800円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 133,660円
 ・ 従来型個室を利用した場合 131,140円
 ・ 多床室を利用した場合 94,750円

 

要介護5 在宅強化型

介護老人保健施設 要介護5・在宅強化型 費用比較表

要介護5の方が在宅強化型の介護老人保健施設に入所した場合の、1か月の自己負担の費用目安です。

 ・ ユニット型個室を利用した場合 146,230円
 ・ ユニット型個室的多床室を利用した場合 136,090円
 ・ 従来型個室を利用した場合 133,480円
 ・ 多床室を利用した場合 97,210円

 

介護老人保健施設 入所希望者の確認事項

介護老人保健施設(老健) 入所条件や申込方法、注意事項などについて

介護老人保健施設(老健)の入所の条件や対象者、申込方法や入所までの流れ、入所期間や利用可能な方法、区分の種類、退所になってしまう理由など、介護老人保健施設に入所するための情報や注意事項などご確認希望の方はこちら。

 

介護老人保健施設(老健) 参考資料・文献など